●愛ルケ<第20~32話>愛の流刑地~不倫妻をもつ夫の悲しい日記~
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(32)愛ルケ■
雨の中を、傘をさしながら、辛抱強く待ち続けた。
時折、道を歩く人たちが、不審そうに、僕を見ながら、通り過ぎる。
僕は、妻が、不倫をしていることに、腹が立つどころか、情けなく、
自分に魅力のなかったことに、死にたい気分になっていた。
待つこと、3時間を過ぎ、お昼の1時をまわった頃、
二人がエントランスに出てきた。
男は、管理人に挨拶をして、右手に持った傘に、妻を入れ、
歩き出したのだ。
僕は、とっさに、管理人の近くに走って行き、聞いてみた。
「あのう、さっきの女性は、よく来るのですか?」
管理人は、不審そうに、僕をにらんだ。
「実は、あの女性は、僕の妻なんですけど・・・」
彼は、僕の言葉にびっくりしたようだった。
「ええ、週に何度かは・・・」
気まずそうに答えた。
「やっぱりそうだったのか・・・」
そして、僕は、すぐさま、追いかけた。
後を、つけて行くと、二人は、神社の中に入って行った。
でも、僕は、妻の、あんなに楽しそうにしている姿を、
長い間、見たことがなかった。
妻の笑顔がないのは、すべては、僕の責任なのかも・・・
次の瞬間、決定的なものを見てしまった。
白昼堂々と、二人は、キスをしはじめたのだ。
僕は、頭が、パニックになり、
目から、急に、涙で一杯になった。
こんなに悲しいのは、生まれてはじめてだった。
学生のとき、失恋したときも、悲しかったが、
妻を盗られることほど、情けなく、悲しいことはない。
それも、目の前で・・・
「もうイヤだ!」
僕は、耐えられなくなり、叫びながら、千駄ヶ谷駅へ一人走って行った。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(31)愛ルケ■
蒸し暑い、雨の中を、新百合ヶ丘の駅に向かう妻を尾行した。
平日の、朝なので、電車の中は、通勤通学ラッシュで混んでいた。
妻は、新宿駅で、小田急から、JRに乗り換えた。
妻を、見失いそうになりながら、僕は尾行を続けた。
千駄ヶ谷に着くと、小走りに、駅を駆けて行った。
もしかして、尾行がバレたのかと思った。
しかし、妻は、気にすることなく、楽しそうに、
スキップをしながら、商店街を駆け抜け、住宅街に入っていった。
僕は、ドキドキしながら、尾行をして行くと、
五階建てのマンションに、妻は、入って行った。
僕も、入ろうとしたが、1階の入口に六十歳半ばの管理人がいた。
僕は、不審者と間違えられてはいけないと思い、、
外で待つことにした。
ボーッと、しながら、マンションの上の方を、眺めていると、
3階の窓から、カーテンごしに、妻の姿が、ちらりと見えた。
その横で、五十歳台と思われる男の姿も見えた。
もうダメだ。明らかに、朝から、密室で、
不倫をする妻を発見してしまったのだ。
頭の中が、パニックになり、クラクラしてきた。
おまけに、心臓も破裂しそうになり、立っていられなくなった。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(30)愛ルケ■
僕は、今日、妻に内緒で、会社を休んだ。
当然、昼間の、妻の行動をチェックするためなのだ。
いつものように、朝、会社へ行くふりをして、家を出て行った。
近所の人々に、不審に思われてはいけないと思い、
愛車を置いてある、少し離れた駐車場の、
車の中で、待機することにした。
その駐車場からは、うちの玄関のドアが見えるので、
妻が出てきたら、すぐに見つけることができるのである。
8時30分を過ぎた頃、ついに、玄関のドアが開いた。
妻が、こぎれいな格好で、出てきたのである。
僕と出かけるときは、こんなに、きれいにしていないのに・・・
妻が、別人のように感じられた。年齢も、かなり若く見えた。
ついに、妻が動き始めてしまったのだ。
心臓が、バクバクしてきた。
本音を言えば、これ以上、見たくないのだ。
不倫の現場を、押さえたからといって、
僕は、何の利益があるのだろう?
待っているのは、不快感と、決定的な家庭崩壊のみである。
そうしているうちに、妻は、少し急ぐように、
駅の方へと歩いて行った。
僕は、車から降り、妻を尾行することにした。
後を、つけている間、僕の方が悪いことしているようで、
息が詰まる思いだった。
心臓が、破裂しそうで、何度も、引き返そうと思った。
助けて下さい! 勘弁してください!
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(29)愛ルケ■
妻は不倫旅行から、帰ってきてからも、
何事も、なかったように、家事と子育てをしている。
僕も、とりあえず、何も知らないふりをしていた。
真実を自分で確かめてから、結論を出そうと思った。
小学5年生の、一番上の子供から、時々、土曜と日曜に、子供たちで、
妻がいない間、留守番をしていることを聞いた。
子供を犠牲にしてまで、不倫の快楽に走るとは、呆れてくる。
来週、ついに僕は、妻に内緒で、夏休みを取り、
日常の、妻の行動を、尾行することにした。
すべての、真実を、ビデオとカメラに収めようと思った。
でも、なぜか、吐き気がし、胃が痛くなって、震えてきた。
真実が怖い。知ったところで、待っているのは破局だ。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(28)愛ルケ■
同期の山田と、飲んだ後、子供たちのいる家へ帰った。
ドアを開けると、「おかえりなさい。」と妻の母がいた。
妻の留守の間、富山から、妻の母が、子供たちの世話に、来ていたのだ。
「お疲れでしょう?」「お食事は?」と、優しく、聞いてきた。
でも、急に、妻の不倫疑惑が、頭によぎり、ムカついてきたのだ。
この親は、自分の娘を、どういう教育をしてきたのだ?
それとも、この母親も不倫してきたことがあるのか?
子供をもつ娘が不倫をすることに、何とも思わないのか?
妻の母親に、当たりそうになったので、会話もせず、
無視して、今日は寝ることにした。
もう、家庭崩壊だな。離婚しかないか。
でも、僕は、何も悪いことしてない!
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(27)■
今日は、妻のほうから、誕生日を祝うためのディナーを、
キャンセルされたて、あげくの果てに、今日は泊まりで、帰らないとは・・・・・
僕の、妻への気持ちを、踏みにじまれた気分になった。
あまりにも、むしゃくしゃしたので、今夜は、
同期の山田と、飲んで帰ることにした。
山田と、夕方、渋谷で待ち合わせ、居酒屋に入った時、
いきなり、僕に聞いてきた。
「冬香さんは、今日は旅行なの?」
僕は、なぜ、山田が、妻が泊まりで、
出かけたことを知っているのか、不思議に思った。
「さっき、小田急の新宿駅で、大きなカバンを持って、
待ち合わせをしているところを見たんだよ。」
山田は、申し訳なさそうに、続けた。
「実は、気になったので、しばらく見ていたんだ。」
「すると、50歳くらいの男性と一緒で、
寄り添うように、ロマンスカーに乗ったんだよ。」
「人違いかもしれないので、とりあえず、君に確認したんだ。」
もう、妻とは終わりだと思い、僕は、正直に、今までのことを、
山田に話して、相談しょうとした。
すると、山田は、深刻な顔して、
「冬香さんを、僕の妻が、以前、千駄ヶ谷で見たと、言っただろ?」
「その後も、よく見かけるらしく、たまに、50歳くらいの男性と、
手をつないで、歩いているらしいよ。」
僕は、妻がメールをしている村尾という男のことが、頭に浮かんだ。
せっかく、僕が計画した、妻の誕生日のディナーをキャンセルさせ、
堂々と、泊りがけで、誕生日に、不倫旅行をするなんて、
かなり、腹がすわっていて、たちの悪い奴だと思い、
不安と怒りとが、僕を襲った。
なぜ、僕は、こんな目に遭わなければいけないんだ?
絶望の中で、死にたい気分になってきた。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(26)■
ルンルン気分で、家に帰り、早速、妻に、誕生日の予定を、
伝えようとした。
しかし、とんでもない言葉が、僕を失望のどん底に落としいれた。
「誕生日の日は、昔、勤めていた会社の会があって、
泊まりがけで、出かけるの。」
「子供たちの、面倒は、富山のお母さんに来てもらうから、
大丈夫よ。」と、返事が帰ってきたのだ。
なぜ、妻の誕生日に、妻の母と、過ごさないといけないのだ。
それも、誕生日の日に、泊りがけで、出かけるとはありえない。
平日なのに泊りがけで、昔の会社の会なんて、おかしいではないか?
怒りと、不信感が、僕を襲いかかった。
やっぱり、不倫相手と誕生日祝いの旅行にでも行くのか?
せっかくの誕生日のセッティングも、水の泡だ。
もう嫌だ!気が狂いそうだ!
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(25)■
子供がいなければ、おそらく離婚していただろう。
いや、離婚されていただろう。
それなのに、毎日、妻は、僕に対して我慢大会をしている。
でも、僕は妻のことは、今でも好きなのだ。
妻が、不倫をしていないことを前提にしてだが・・・
僕は、夫婦関係の、最後の修復策として、明案を思いついた。
妻の誕生日が、もうすぐなので、盛大にレストランでお祝いをし、
奮発して、豪華な指輪を、プレゼントをすることに決めた。
妻が感動してくれるよう、できる限り、お金をかけたいと思った。
もう、これで、ダメなら、覚悟を決めることにするつもりだ。
翌日、会社帰りに、マスコミに取上げられ、最近有名になった、
イタリアンレストランで、一人3万円のコース料理を予約した。
さらに、妻が、雑誌で欲しそうにしていた、高級ブランドの宝石を、
100万も出して、百貨店で買ったのである。
おそらく、これほど豪華な、妻の誕生日は、結婚以来、初めてある。
あとは、妻の誕生日を、待つだけだ。
あまりにも奮発したので、妻が喜ぶ姿が目に浮かび、
わくわく、ドキドキしてきた。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(24)■
最近、読んだ本で、恐ろしいデータを目にした。
DNA解析で、父子鑑定が可能になっている。
ある産婦人科医が、先天的な病気を調べるために、
親子のDNAを調べたところ、十人に一人は、
不倫の子がいることを発見したらしい。
また、イギリスの父子鑑定を専門に行っている政府機関でも、
七人に一人の割合で、不倫の子がいると推定しているらしい。
避妊や中絶ができる、今でも、この割合であるから、
昔は、どのくらいの不倫の子がいたことなのか?
ふと、僕の3人の子供たちは、本当に実の子か、不安になった。
もっと怖いのは、妻が、今の不倫相手との子供ができたら、
僕は、どう対応したらいいのか?
黙って、中絶する気なのか?
もしくは、堂々と、僕の子と偽って、生む気なのか?
でも、僕は、妻とセックスしていないのだから、
絶対騙されない。
どちらにしても、今後、最悪のことが起こるかもしれない。
もう、何もかも考えたくない!
気が狂いそうになってきた。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(23)■
先日の出来事以来、妻との夫婦関係は、ますます、悪化し、
家の中は、寒いくらい、冷え切った雰囲気が漂っていた。
僕は、妻の不倫相手との、メールの件が気になり、
妻と会話を、する気すらなく、
妻は、睡眠薬を入れた酒を飲まされ、
無理やり犯されたことで、僕を完全に避けている。
子供たちは、この冷え切った家庭の中で、
元気もなく、暗い雰囲気になっていた。
間違いなく、子供たちは悪くない。
誰が悪いのか?
僕は悪くない!
でも、妻が浮気をしているのは、明白だ。
今後、どうしていけばいいのか。
会社に行っても、仕事が手につかず、
仕事で大きなミスが、連発し始めた。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(22)■
家に帰ったら、妻はまだ起きていた。
僕は、酒に睡眠薬をまぜて、妻に飲ませることにした。
いやがる妻に、グラスに一杯に酒と睡眠薬を注ぎ、飲ませた。
しばらくすると、妻は、眠くなってきたようだったので、
早速、妻を、僕の寝室に無理やり連れて行くことにした。
妻は、必死に抵抗しているようだったが、
頭がくらくらして、カラダも自由に動かないようだった。
僕は、すばやく、妻を裸にさせ、全身を舐めまわそうとした。
さすがに、久しぶりの、妻の裸を見て、すごく興奮してきた。
もう、何年も、見ていないのである。
でも、最後に見たときより、間違いなく、色っぽくなった。
何故だろうか。
毎日、AVビデオを楽しんでいる僕でも、妻を見て、
20歳代の若い女の子と、引けを取らないくらい、
魅力的に見えたのである。
やはり、不倫をしているのか。
他に男がいるから、このような妖艶な雰囲気を出せるのか。
妻の裸を前に、妄想にふけていると、隣の部屋で、妻の携帯電話にメールが、
着信する音が聞こえた。
僕は、妻が全裸で熟睡しているのを確認して、
メールをチェックしてみることにした。
普段なら、見せてもらえないが、今日は、妻のメールは見放題だ。
しかし、携帯電話を手にした瞬間、僕は衝撃的な事実を、目にしてしまった。
「この前の、君は最高だった。愛しているよ。」
「今度はいつ会えるの。」
村尾という男からのメールだった。
他に着信メールはないか、調べたが、すべて削除しているようだった。
僕は、あまりにもショックで、これ以上、何も考えたくなかった。
妻に対し怒りが込み上げ、カラダに、触れるどころか、
セックスをする気にも、ならなかった。
頭をかかえ、不倫相手のことを考えながら、
僕は、そのまま、寝てしまった。
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(21)■
仕事帰り、同僚の小松と、飲みに行った。
小松夫妻は、子供がいないらしい。
何度も、不妊治療などで、がんばったらしい。
でも、奥さんが37歳になった時、あきらめたと言った。
でも、最近も、ラブラブらしく、AVビデオを、
一緒に見て、いろんなプレイを楽しんでいるらしい。
僕は、すごく羨ましく思った。
僕は、妻が、いつも拒むので、最近は、ひとり、部屋で、
AVビデオを見るのが、日課になっている。
AVビデオを見ている僕に対して、
すごく汚いものとして、妻は、避けていくのである。
僕が妻以外の女性の裸を見ることが、
浮気のはじまりだと思っているらしい。
僕は、妻が拒むから、AVビデオを見る。
妻は、AVビデオをみる夫が、不潔だから、近寄りたくない。
これが、夫婦の家庭内別居の悪循環なのである。
だから、夫婦関係修復不可能なので、犯すしかないのである。
かなり、酔ったようなので、小松と別れ、家路に向かった。
タクシーの中で、ポケットに、睡眠薬が入っているのを確認した。
よし、今夜はやるぞ!
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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(20)■
ここ、何年も、妻とのセックスが、全くない。
僕は、したくて、したくて、仕方がない。
でも、妻が、拒否するのだ。
この前も、しようとしたら、拒否された。
そんなに、僕のことが、嫌なのか?
少なくとも、僕は、妻のことを、今も、愛してる。
でも、妻が、僕とセックスをするのが、イヤなくらい、
僕のことが、キライなら、離婚した方が、いいのではないか?
でも、3人の子供たちのことを思うと、
親の身勝手な理由で、離婚など、かわいそうで、出来ない。
そう、考えただけで、妻に対して、苛立ちを感じてくる。
もう、解決するには、強行策をとるしかないと思った。
妻が、させてくれないなら、犯してやればいいのである。
まさか、婦女暴行で、逮捕されることなど、ありえない。
僕たちは、夫婦なのだ。一種の、プレイなのだ。
そう、自分に言い聞かせながら、今夜、決行しょうと思った。
やはり、製薬会社に勤務する以上、睡眠薬で、眠らせ、
犯すのが、手っ取り早い。
いつもは、妻に弱腰な僕が、変貌していくのを感じた。
これでいいのか・・・
でも、悪いのは、妻なのだ・・・
自分でも、錯乱状態になってきた。
助けて下さい!助けて下さい!
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●「愛の流刑地」について●
日本経済新聞の朝刊で、毎日連載している、「愛の流刑地」は、
あの、「失楽園」でおなじみの、渡辺淳一が書いた小説です。
僕は、毎朝、通勤電車の中で、「愛の流刑地」を読んでいますが、
よく考えると、僕の家庭事情と、「愛の流刑地」の内容が、
そっくりなのに、気づきました。これは、他人事ではない。
不倫を楽しんでる人妻である冬香は、実は、僕の妻なのかもしれない。
間違いないかも・・・・・
助けてください! 助けてください!!
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